はじめに
不動産登記を申請するにあたって、登録免許税という税金がかかります。
登録免許税は、不動産登記申請時に納めないと、却下されてしまいます。
したがって、司法書士の見積書には、依頼された登記内容に基づいて、必ず登録免許税額を計算した金額が記載されています。
この登録免許税は、申請内容によって、税率や計算方法が異なります。
本ブログをご参考にされる場合には以下の点にご注意ください。
- 本ブログは、備忘録的に作成しておりますので、自己の責任においてご判断の上、登録免許税額を計算してください。
- 本ブログに記載されている登録免許税の計算方法等は、代表的なもののみを記載しております。すべての計算方法を網羅しているわけではありません。
- 申請する内容や条件によっては、適用される税率が異なる場合があります。
- 申請時点において、特例措置が設けられている場合もあります。法務局または国税庁のホームページなどでご確認ください。
詳しくは、申請時に確認されることをお勧めします。
原則的な計算方法
原則的な計算方法としては、2種類があります。
(1)課税標準金額 × 税率
(2)不動産の個数 × 1000円
- 特殊な登記や特例などで、計算方法や税率が異なる場合があります。
- どちらを使うのかは、申請する登記の内容により決まっています。
共通ルール
(1)課税標準金額 ⇒ 千円未満の額は切り捨てます。
(2)登録免許税額 ⇒ 百円未満の額は切り捨てます。
(3)登録免許税の最低額 ⇒ 1000円
所有権(甲区)
所有権保存または所有権移転の登記に用いる課税標準金額は、固定資産評価額を用います。
固定資産評価額は年度ごとに変動しますが、登記申請時(年度)のものを用います(登録免許税法第10条第1項)。
所有権保存
新築の建物のように、初めて所有者として登記する場合
原則
課税標準金額 × 4/1000
特例(マイホームを新築した場合)
課税標準金額 × 1.5/1000
- 時限立法の特別措置です。
- 新築した建物の性能によっては、税率が1/1000となる場合があります。
所有権移転
原則
課税標準金額 × 20/1000
相続、合併
課税標準金額 × 4/1000
- 時限立法により、免税措置が適用される場合があります。
売買(土地)
課税標準金額 × 15/1000
- 時限立法による特別措置となります。
売買(建物)
課税標準金額 × 3/1000
- 個人が、自己が居住する目的で住宅を取得する場合に限ります。
- 住宅用家屋証明書を取得できる場合に限ります。
- 時限立法による特別措置となります。
共有物分割
課税標準金額 × 4/1000
- 適用にあたっては登録免許税法施行令第9条の要件に該当していること。
登録免許税法施行令
第九条
共有物である土地の所有権の移転の登記において法第十七条第一項又は別表第一第一号(二)ロ若しくは(十二)ロ(2)の規定の適用がある場合におけるその共有物について有していた所有権の持分に応じた価額に対応する部分は、当該共有物の分割による所有権の持分の移転の登記に係る土地(以下この項において「対象土地」という。)につき当該登記(以下この項において「対象登記」という。)の直前に分筆による登記事項の変更の登記(以下この項において「分筆登記」という。)がされている場合であつて当該対象登記が当該分筆登記に係る他の土地の全部又は一部の所有権の持分の移転の登記(当該共有物の分割によるものに限る。以下この項において「他の持分移転登記」という。)と同時に申請されたときの当該対象土地の所有権の持分の移転に係る土地の価額のうち当該他の持分移転登記において減少する当該他の土地の所有権の持分の価額に応じた当該対象土地の持分の価額に対応する部分とする。
2 前項の規定は、共有物である建物の所有権又は共有に係る地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の分割の登記を行う場合について準用する。
所有権登記名義人住所・氏名変更(更正)
原則
不動産の個数 × 1000円
例外1
変更登記と更正登記を同時に申請する場合
不動産の個数 × 2000円
例外2
住居表示実施の場合は、非課税。
※ただし、住所変更登記の申請は必要です。
抵当権・根抵当権
抵当権・根抵当権に用いる課税標準金額は、次の金額を用います。
- 抵当権 ⇒ 債権額
- 根抵当権 ⇒ 極度額
抵当権・根抵当権 設定
原則
課税標準金額 × 4/1000
住宅ローンの場合
課税標準金額 × 1/1000
- 住宅用家屋証明書を添付できる場合に限ります。
- 住宅用家屋証明書を取得できない場合には、通常とおり「4/1000」となります。
- 時限立法による特別措置となります。
追加設定
不動産の数 × 1500円
抵当権・根抵当権 変更
不動産の個数 × 1000円
- 根抵当権の場合、極度額を増額する場合を除きます。
根抵当権 極度額の変更
課税標準金額 × 4/1000
- 極度額を増額する場合
抵当権・根抵当権 抹消
原則
不動産の個数 × 1000円
例外
一括申請の場合で、不動産の個数が20を超える場合には上限2万円。
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